その109 明るい事務所なら当選!暗い事務所だと苦戦…

何を行い、誰を相手にするかによって、第一に選ぶべき場所というものがあります。少人数のコアなメンバーを集めるなら、日当たりが少し悪いくらいの、裏通りや地下にある場が向いているでしょう。秘密基地や隠れ家のような感じの所です。

反対に、明るい活動を行い、元氣な仲間を集めたい場合はどうでしょうか。やはり日当たりが良くて目立つ所に、皆が集まる場を設けたほうが目的に敵うはずです。

選挙事務所などは、典型的な後者の例だと思います。私はこれまで、数多くの選挙応援に携わりました。その中に、借りている選挙事務所が地下にあったり、人が全く通らない奥まった所に設置されたりしているケースがありました。

選挙事務所には、候補者の親族や友人など、いろいろな人が応援にやって来ます。遠くから来所する人も多く、選挙事務所に辿り着いたときの第一印象はとても重要です。

遠目にも、そこに選挙事務所があることが分かり、近付けば「おっ!やっているな」という身震いするような高揚感が生ずるかどうかです。間違っても「これは落選だ、完全な泡沫候補系でしかない…」などと思わせるような暗い事務所を選んではいけません。

選挙の応援くらい元氣の出る活動は他に無いのですから、支援者や応援者に、来たときよりも元氣になって帰ってもらえるよう心掛けることが肝腎です。そうでないと輪が拡がらず、輪が広がらなければ勝てません。

そういう振るい立たせる雰囲気を醸し出すためにも、明るい氣が自然に集まって来る場所を選ぶことが必要であると孫子は教えています。

《孫子・行軍篇その二》
「およそ軍隊というものは、高い所を好み、低い所を嫌う。日当たりの良い所を貴び、日当たりの悪い所を賤しむ。そうして生氣を養い充実させていれば、軍隊にどんな疾病も起きない。このことを必勝というのである。

丘陵や堤防では、必ずその東南に居り、それが右側と後方になるようにせよ。これらが戦争を有利にさせる地形の助けというものだ。

川の上流から雨で泡だった水流が押し寄せて来た場合、これから川を渡りたいというときであっても、雨が落ち着くまで待つようにせよ。」

※原文のキーワード
低い所を嫌う…「悪下」、日当たりの良い場所…「陽」、日当たりの悪い場所…「陰」、生氣を養い…「養生」、充実させておれば…「処実」、どんな疾病も起きない…「無百疾」、東南…「陽」、右側と後方…「右背」、戦争を有利にさせる…「兵之利」、地形の助け…「地之助」、川の上流から雨で泡だった水流が押し寄せて来た場合…「上雨水沫至」、これから川を渡りたいというときであっても…「欲渉者」、雨が落ち着くまで待つ…「待其定」(続く)