黄門様の助さんと格さんは、三国志であれば、劉備玄徳の同志である関羽や張飛に相当します。どちらも勇猛で腕っぷしが強いです。
黄門様は、腕の立つ助さんと格さんたちがいれば、それで悪者を懲らしめられました。でも、劉備玄徳の目標は天下統一にありますから、勇猛な関羽や張飛たちが揃うだけでは人財が足りません。天下統一に向かって、大計(大局的計画)を立てられなければ、目の前の戦闘に追われるだけの人生で終わってしまうでしょう。
そこで、47歳になった劉備が「三顧の礼」で迎えたのが、27歳の諸葛亮孔明でした。そのとき、孔明が劉備に示した大計が、世に知られる「天下三分の計」です。
大軍を擁する曹操の「魏」とも、国が堅固な孫権の「呉」とも違う第三の勢力を荊州(湖北省・湖南省)や益州(四川省)に興し、呉と協力しながら「天下の変」を逃すことなく魏に攻めていくという長期ビジョンでした。
我が国では、幕末期の熊本藩士であった、横井小楠(よこいしょうなん)が大計を練られる人物でした。小楠は明治維新の針路を大局的に構想しており、勝海舟をして「天下で恐ろしい人物を見た」と言わしめました。なお、勝にとってもう一人恐ろしい人物がいて、それは西郷隆盛でした。もしも小楠の策を西郷が実行したら、日本はとんでもないことになるというわけです。
2026年の今、我々は東西文明の交代期(1975~2075)中の最激変期(2025~2050)に生きています。そして、新しい日本の社会秩序が誕生しかけている現在、強く求められている人物が、長期計画を考案していく現代の孔明や小楠、即ち天才的軍師や構想家です。その長期計画を「全体構想」と呼び、以下にその内容を思いつくままに述べておきます。
◇全体構想の「原点」が明確であること~深い原点は、創業者や創造者に必須!
神話や歴史に根差した原点と、何のために・誰のためにという「利他の原点」の確立を
◇本来こうあるべきだ!という「遠大な理想」が示されていること
《参考》「共生文明」「高徳国家」「公益経済」
◇わくわくする主題(テーマ)があり、それを「志」として一言で表現出来ること
《参考》「大化改新」「天下布武」「維新回天」「日本改新」「新日本社会秩序の創成」
◇全体構想を練っていくリーダーたちは、全体を観、核心を掴み、流れを読んでいること
・部分に囚われることなく、常に全体にとってどうなのかを考える…
・問題の核心はどこにあるのか? 解決のカギを握っているのは誰か(キーパーソンは誰か)?
・天井を打つのはいつか? 底を打つのはいつか?
◇全体構想の流れを、長期・中期・短期の時間軸にまとめられること
《参考》短期的にはアメリカとの同盟を基本としながら直近の危機を乗り越え、中期的には防衛力の自立を図ることで攻め難い国をつくって侵略を防ぎ、長期的にはアジアから世界平和の礎を興す(東西文明の融合進化)
◇抽象的な言葉は出来るだけ避け、構想が徹底推進されるよう具体的な言葉を掲げる!
×ダメな例:誰かが頑張って、いつかは仲良くなれるようみんなで願いましょう
〇見事な例:1960年代の終わりまでに人類を月に到達させ、安全に地球に帰還させる
◇「自分は全体構想のどこに位置するのか?」という「各員の居場所」が明確になるよう誘導出来ること。ここには居場所が無いと思わせるようなやり方では人が去っていくことになります。
以上、全体構想ついて、大切と思われる内容を書きました。部分的に優れている方法や手段も、全体と上手く繋がっていなければ役に立ちません。全体を采配し、個々を綜合的に生かせる人物が構想家です。天が構想家の登場を、強く待ち望んでおります!