こんばんは。明日は国会綜學勉強会(第57回)で講義します(オンライン)。
演題は『葉隠』其の二、弟子を取る者の心得、口論に勝つテクニック 他です。
◆日記(5月23日~24日)
・23日(日)林塾「政治家天命講座」第16期で講義~文明法則史学・世界編
・24日(月)参政党・音声メルマガ収録(第21回~第30回)
【ご案内】
☆伊那谷文明維新塾
日時:5月29日(土)午後3時~5時10分 終了後懇親会を予定
演題:『帝範』『臣軌』に学ぶトップと側近の一致協力
会場:駒ヶ根駅前アルパ3階 多目的ホール
参加費:3000円(席間を開けて行います)懇親会別途2000円
お問い合せ:090・5520・5858(事務局・長野県議・清水正康さん)
※コロナ情勢によって完全オンラインに切り替える場合があります。
☆日本的経営の根本道場!経世志塾(東京)
日時:6月2日(水)午後6時~8時45分
演題:「孫子の兵法」第2回 予め勝っておけ、勢いを起こせ、無形となれ 他
会場:未定 参加費:5000円 ※オンライン初回ご参加無料!
詳細はこちらから→ ex-pa.jp/item/33578
★絵本『やまとことば神話』のイラストレーター白川一郎画伯と林英臣がオンラインで対談します!皆様、是非ともご参加くださいませ。
日時:6月15日(火)午後7時~8時半
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評論・随筆
和文化が今、存続の危機にある!
和は日本の在り方そのものであるという。大和言葉のワ音は、上下の唇を輪にして発声するので円満・充足の意味を表す。合わせてワ音には「和」の意味もあるというのが通常の解釈なのだが、和の漢字を「わ」と読むのは実は音読みだ。厳密に言うと、ワが和であるとするのは、大和言葉としての解釈では無いということになる(訓読みの場合は和(やわ)らぐ・和(なご)む)。それでも、ワ音は円満な輪を表すのだから、和に通じていると考えて全然間違いではあるまい。和=日本の心であると受け止めて良いと思うのだ。
まさに日本文化は「和の文化」と言われ、和には調和、平和といった意味がある。程良さを重んじ、バランスを取るのが日本文化の特徴なのだ。そして、長い歴史に裏打ちされた基底文化によって、遠く神代の世界に到達する奥行きというものが我が国にはある。
残念なことに、その和文化が今存続の危機にあるという。例えば三味線の製造数が減少の一途にある。今から50年以上前の昭和45年(1970)、三味線製造数は1万4500丁あった。それが、平成29年(2017)には1200丁にまで減っている(全国邦楽器組合連合会調べ)。なんと、12,5分の1にまで落ち込んだのだ。新型コロナウイルスの影響で、さらに減少に追い打ちが掛かっていることは言うまでもあるまい。
なぜそうなるかといえば、弾き手(演奏家)、教え手(お師匠さん)、学び手(弟子)、作り手(製造者)、聴き手(ファン)など、全てに亘って関係者が減ってきているからだ。三味線などの音曲は、落語の寄席や踊りの舞台でも用いられる。和文化で人が集まる場は、その多くがコロナ禍で運営が困難となり、このまま三味線も消失へ向かう一方なのだろうか。
ところで、文明法則史学は、間もなく日本に新しい社会秩序が誕生することを予測している。その最初に起こる文化型は「A型文化」と呼ばれ、社会秩序の始め頃に生ずる少年型社会心理が反映することで、素朴、雄大、英雄伝説、正義感、原点回帰(古典の見直しや神話の復活)などの特徴や内容を持つ。
それらは、和文化の振興とリンクするのだから、その存続が危機にあるというのは実に由々しき問題と言わねばならない。
明治以来、伝統の東洋日本文化は軽んじられ、もはや時代後れの遺物と蔑(さげす)まれた。すっかり西洋かぶれしたところへ、戦後はアメリカナイズが進んだ。東西文明の交代を経て、これから東洋の時代となるのに、この体たらくは本当に情けない限りである。
しかし伝統の危機は、新しい社会秩序が起こるときに、しばしば生じる現象でもある。奈良・平安時代の古代SSも、その誕生頃に伝承消滅の危機が起きていた。古事記は、伝統消失の危機の中で編纂された神話だったのだ。
従って、今日も現象面では和文化の危機が訪れているが、それをバネに伝統文化や国民精神興隆のチャンスに変えれば良い。日本には、どの国にも負けない分厚い基底文化層が存在する。危機や転換期ほど、その基底文化層が物を言うことになる。
大和言葉と日本思想、和の音色と邦楽、和の色彩、和の造形、和の香り、和食などの和文化から、人生や経営のヒントを得てみてはどうか。大切な事は足元に眠っているのである。(日本政経連合総研レポート第49号より 5月24日)